実家が相続で揉めた件について

らぽさんです。

今日は表題の件について書きたいと思います。実はもうすでに結果は覆せない状況みたいなのですが、父親から相談を受けておかしいと思った点について自分のために書いておきます。結果は覆せないにしても、父親としてもおかしい点を先方に伝えていきたいとのことなので、可能な限り情報提供したいなと。

正直、この話を父親から聞いて結構気が滅入りました…争続って実際あるんだなと。

あらすじ

  • 父方の母親が梅雨に亡くなる。(僕から見たおばあちゃん)
  • 父方の父親は数十年前に亡くなっているため、遺産相続は法定相続人である子供3人(僕の父、父の長兄、父の次兄)で原則分けることになる。
  • これまでおばあちゃんの面倒を見ていたのは父の長兄。おばあちゃんの家を継いでいるのも父の長兄。父と父の次兄は結婚してそれぞれおばあちゃんの家を出た形。
  • おばあちゃんの介護をしていたのは父の長兄とその妻。
  • 遺産相続の割合について話し合いの場を設けるということなので父が向かったところ、出てきたのは「一切の財産はこのままうちで管理する」との内容の遺産協分割議書。実質、申し訳程度の金額で納得してくれという内容だったらしい。それに対し父が「なぜそうなるの?」と説明を求めたところ「一体いくら金が欲しいんだ!お前がそんなあさましいやつだとは思わなかった!」と罵倒された。
  • 父曰く、もちろんおばあちゃんの介護をしてきたことや、おばあちゃんの家を長兄が弟たちに代わって守ってきたということで分配に傾斜を設けるのならば当然だし納得できる。ただそれに対する説明が一切ないまま、弟たちに対する遺産配分は雀の涙だけであとは一切管理するというのでは到底納得できない。(父の名誉のためにも記すが、決して父もお金に困っていて財産が欲しいというわけではない。ただ法定相続という法律で定められた原則から外れたことをなぜするのか納得のいく説明が欲しい、ただそれだけ)
  • 最終的には折り合いがつかず仲たがいしたまま、その内容で遺産協議書に押印してしまったらしい。なのでもう配分については覆せないと思われる。
  • 父も尊敬していた長兄から「金が欲しいのか」と罵倒されたことにより精神的に参ってしまった。僕も父親だけの言い分を聞いただけに過ぎないが、それでも長兄だけがすべて遺産を相続するというのは道理が通らないのではと考えている。
  • 折を見て、父が今回の件について長兄に対し改めて説明を求めるとのことなので、その動向を見守る。

書いてて辛くなってきた。

相続の内容についてわかる範囲で調べてみた

まず原則からいえば、今回の件で言うと法定相続人が子供3人(父、父の長兄、父の次兄)しかいないため、3人で等分するのが筋ではあります。それに対し、長兄が遺産分割協議書により全員の合意を得た上で単独相続するという主張です。

単独相続を主張する理由は僕もわかりません。そこまでは首を突っ込めないので…もしかしたら正当性のある理由があるのかもしれませんが、この場では父から聞いた話だけで考えてみます。父の息子として、父が間違ったことを言ってるとも思えませんし。

思ったのは、単独相続ではなく普通に法定分通り相続したほうが税金面で有利なんじゃないかと疑問に思いました。基礎控除を差し引いた上でも相続税の申告が必要なレベルの額だったみたいなので…

相続税の基礎控除の計算式は下記の通り。

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

今回のケースに当てはめると、相続人は父、父の長兄、父の次兄の3人だけです。

3000万円+(600万円×3)=4800万円

調べてみると、仮に単独相続になったとしても法定相続人の数は基礎控除の計算時にカウントされるみたいですね。つまり単独相続する人にとっては法定相続人分×600万円分の控除が加算されるので都合がいいというか…

そこからの相続人それぞれの税額については、相続額による累進税率をかけて更に控除額を引いた額となります。

つまり仮に遺産自体が1億円あったと仮定します。すると

1億-4800万(法定相続人×3人の基礎控除分)=5200万

5200万×3分の1=約1700万

この金額が法定相続分通りに分配するとしたら課税される額になります。

相続税の速算表

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超~3,000万円以下15%50万円
3,000万円超~5,000万円以下20%200万円
5,000万円超~1億円以下30%700万円
   1億円超~2億円以下40%1,700万円
   2億円超~3億円以下45%2,700万円
  3億円超~6億円以下50%4,200万円
   6億円超~55%7,200万円
国税庁HPより引用

1700万円の場合、上記累進課税に基づく税率は15%です。

1700万×15%=255万円

255万円‐50万円(控除分)=205万円

これが一人当たり支払うべき相続税。もしこれが単独相続で一人で5200万円を相続するという形になると累進課税率は30%になります。

5200万円×30%=1560万円

1560万円-700万円(控除分)=860万円

これだけ税金違うのか。

なお上記については、自分なりに調べて試算した結果です。専門家ではないので誤解や考慮すべき点が入っていない可能性もあります。もし間違ってたらご指摘いただけると助かります。

法定相続人同士で公平に分ける場合と単独で相続した場合、税金面で大きな差があるのかと思ってたけど、そこまでの大きな差はないんですね。そうなると税金面を考慮しても、単独相続を主張したほうが合理的という判断をする人も中には出てくるのか…

相続は簡単に争続となりうるんだなと悲しくも思う

とまあ、いろいろ書いたものの、もう書類上の手続きも済んでしまったとのことなので結果は覆ることはないと思います。父から今後相談を受けた際に自分でも何かしら協力できるよう、書いた次第です。

今回揉めた父の長兄とも長い親戚づきあいはあったため、自分自身もとても悲しい気持ちになりました。

父の名誉のためにも申し添えておきますが、父としても遺産が欲しいから言っているわけではありません。お金に困っている状況でもない。単純に「なぜ法定相続の考えがあるのに、そうならないのか。そうしないのか」という点をはっきりさせたいだけだと思います。それをベースに配分割合について多く配分するのは長年おばあちゃんを見守ってきた存在として全く問題ないし、異論はない。でもそれに対する説明が一言もなく、ただただ単独相続に納得してくれでは納得できない、ということを言いたいのだろうと。

詳しくは書きませんが、もしかしたら長兄サイドが家督相続の考えをずっとひきづっている可能性もあります。

家督相続はいつまで有効? 長男が財産を独占しそうなときの対策方法 (vbest.jp)

今後、もしかしたら絶縁になるかもしれないけど、納得いくまで話し合う予定と父は言っていました。息子の僕としては、親族の前で罵倒された父の尊厳を回復できるような結果になってほしいと思っています。なので父がどういう決断を下そうと、父の息子としてそれに従う予定。もし絶縁という結果になってしまった場合、残念ではありますが…

何より、おばあちゃんが今回の顛末を一番悲しんでると思うんですよね。
天国で絶対泣いてる。

兄弟がいる場合は、どんなに仲が良くとも将来争続にならないよう話し合っておくべき

ある意味我が家のデリケートな内容でもあるので、こうしてブログにまとめるか悩みました。ですが、読んでくれている方で今後、相続で同じような事態となったり、相続で揉める可能性もあるのかもしれないと思い、少しでも参考になればと思ってあえて書きました。

今回の件でわかったんですけど、どんなに仲が良くても相続が絡むと争いあう可能性があるのだなと感じました。

僕にも尊敬する兄がいますが、自分の両親がいずれも亡くなった際にもしかしたら相続で揉めてしまう可能性もあるということは考えておかなきゃならないなと。いや、尊敬してるからこそ相続がきっかけでギクシャクなんてしたくないんですよ。

だからこそ、事前に意思疎通していくことは大切なんだろうと思います。金銭が絡むなら情の入らない余地で決めることも必要になってくるのだろうなと感じます。

もしかすると他人には決して見せることのない(できない)それぞれの事情があるかもしれない。その結果、自分たちの家庭が優先でもらえるお金は多く欲しいという流れになってしまうこともあるかもしれない。

自分自身だっていざその場面がきたらそうなる可能性だってある。そこは過信せず、その時がいつか来た際に悲しい結果にならないよう兄とも少しづつ話していこうと思った次第でした。

大人になった今でも尊敬できる親族だからこそ、相続をきっかけに疎遠になるというのは絶対嫌なので…

それではまた。

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