らぽさんです。
今日は僕の大好きな漫画「一日外出録 ハンチョウ」について取り上げたいと思います。この漫画だけは最高に好きすぎてメルカリに出すこともなく、家に常備菜(?)としておいています。
簡単なあらすじを説明すると、借金返すために地下で強制労働させられてるハンチョウ(班長)とその愉快な部下たちが時々地上に外出してリフレッシュするだけのお話です。あと地下での制約された生活の中でも工夫して日常の楽しみを見出すところかな。
以上です。カイジのスピンオフなのでカイジ知ってるとより楽しめますが、カイジ知らなくてもこれ単独の漫画として面白いです。
この漫画、何が最高かって読むたびに「時間作って(有休取って)〇〇行きたい!」だったり「時間作って(有休取って)〇〇したい!」と思わせてくれるところなんですよね。
大人になってから日常の疲れで、休日やぽっかりと時間が空いた時はついダラダラ過ごしてしまうことが多いかと思うんですよ。
でもこの漫画では、そんな時間もダラダラどころか集中して楽しみまくってるんですよね。中には意図的にダラダラ休みを満喫するというエピソードもありますが…
この楽しみ方はすっごい触発されます。次、休み取れたらこんな風に過ごしたい!と思わせてくれるようなエピソード満載です。早く有休を取りたくなります笑
あと、まあ漫画の話なのはわかっているんですけど、ハンチョウをはじめとする人たちってたち、多分ハイパーしんどい環境にいると思うんですよ。借金のカタに地下に強制収容させられて労働安全衛生法にもろ違反しまくっているような劣悪な環境で肉体労働させられて、※賃金もかなり搾取されてるし。
※漫画中では働いたお金が「ペリカ」という地下でしか使えない通貨で支給される。一言でいうならジンバブエドルのようなもの。
そんな人たちも、数少ない地上で過ごせる日は思いっきりその一日を楽しむ。そこには稀少な一日という時間を味わい倒す執念のようなものを感じます。彼らがこれほどまでに休日を楽しめるのなら、ハンチョウたちが恋焦がれる地上での生活をなんならいつでもできでしまう僕たちはなぜ彼らのように休日を楽しみつくせないのか。
そう、あくまでも漫画上の架空の話ということはわかっているんですけど、「日本に生まれた時点で幸せ」と同じ論調で「休みの日は自分の意志で行きたいところに行き、やりたいこともできる」という当たり前に思えるけど、僕らは実はすごい幸せな環境に身を置いているということを気付かせてくれるんですよね。
・読むと、次の休暇時の予定を考えるのが楽しくなる。
・休みって、本来こんなにも楽しくてワクワクするものなんだと改めて気付かせてくれる。
・絶妙なあるあるや共感ポイントに思わず親近感を感じてしまう。
こうして記事を書くにあたり、全エピソードを取り上げてもいいくらいですが、それだとあまりにも収集がつかなくなるため、気に入ったエピソードを軽く紹介していきます。1巻~6巻でピックアップしました。7巻以降はまた機会を見てやるかもしれません。
ハンチョウ見てると、どんな苦境にいようと人生って楽しんだもの勝ちだなと思ったりします。
それではどうぞ。
第一話 玉座
記念すべき第一話。そして第一話かつ、ハンチョウのコンセプトを最も体現しているエピソードに思います。休日を自分なりのやり方で楽しみつくす。
一日外出したハンチョウがわざわざスーツを買い、真昼間からスーツ姿のサラリーマンスタイルで立ち食いそば屋に行って酒を飲むというお話です。酒のつまみは何かというと、揚げたての天ぷらと忙しなく昼食のそばを掻き込んでいるサラリーマンの姿w優越感を味わいながら酒を飲んでいるわけです。
これがまた、うまそうに生ビールお代わりするんですよね…それを見て羨ましいと思ってる外回り中のサラリーマンの顔がすごい堪らないw
漫画中でも言及されるんですけど、これが仮にハンチョウが普段着だとしたら周りからも「昼間っから飲んだくれている落伍者」という見られ方をするだけでしょう。それがわざわざスーツ姿でいったおかげで周囲からは「昼間から飲んでも許されるポジションにいる会社の重役」というような見られ方をするわけです。羨ましい…みたいなw
ここがポイントで、そういう優越感をつまみに酒を飲むという行為にスポットライトをあてたこの回はマジで初回にして神回だと思ってます。
第九話 一休
待望の一日外出をしたはいいものの、ハンチョウの体調が「これを押したら風邪を引く、そのスイッチの縁を悪魔に撫でまわされている」感じで風邪一歩手前の状況を打開するお話。
デイリーマンションで風邪予防の栄養満点の鳥団子鍋食べてゆっくり風呂入って風邪対策しながら寝て体力回復に勤しむだけの回なんですが、出てくる鍋が非常においしそうなんですよねww
一番好きなのは 「これを押したら風邪を引く、そのスイッチを悪魔に撫でまわされている」 という感覚に言及したくだり。ハンチョウの面白さって、こういうなんともいえない「あるある」をうまく言語化したり漫画にしてるところな気がします。
第十一話 少年
ハンチョウとその部下である沼川と石和(以下、ハンチョウ達)が一緒に海に行く話。
海に行って頭の中でサザンやTUBEを流せば思わず服のままでも飛び込んじゃうし、海で遊んだあとは身体がミネラルを欲してるからどん兵衛とかのインスタント食品が身体に沁みる。海でラムネを呑む美味しさなんかもうまく表現されてます。
そして夜は民宿でビール乾杯!その後は枕投げ、寝れずに海辺で恋バナなど夏の思い出が満載な回です。
この回を見るたびに、海行って遊んで民宿でそこの海で獲れた舟盛り食べながらガラスコップで瓶ビール飲みたくなるんですよね…
確かに、夏の海で桑田佳祐の「波乗りジョニー」を脳内で流せば思わず服着てても海に飛び込んじゃうかもしれません。海行かなくても、読んでるだけでこのワクワク感を味わえるのが秀逸。
第十四話 邪神
誰しもが時折抱える「肉が食いたい……!!」という深層心理をうまく表現した回。この誰もが心の中に抱える肉邪神を、ハンチョウがシュラスコ食べ放題に行って上手く手なずける回です。
単純に焼き肉食べ放題行って、肉を食べたくなりますwあとそれに合う赤ワイン呑みながら…
ここのカット、すごい好きw
という名言が出てくるのもこのお話。
第十六話 極楽
ハンチョウ達が一日外出でスーパー銭湯に行く話。
スーパー銭湯の楽しみ方が網羅されている回です。風呂上りには湯上り御膳食べたくなるのはマーケティングに基づく真理だったんですね…!
これも、スーパー銭湯に行きたくなるんですよ…マジで…マッサージ機にべったりだったり、館内でソフトクリーム食べたくなったり、休憩室で缶ビール持ちながらだべったり…よくもここまでスーパー銭湯の魅力を惜しみなく漫画に詰め込んだなって思います。
サウナとロウリュで体力が超回復するくだりはすごいわかると思いました。
第十七話 首脳
ハンチョウが一日外出して食事をどうするか、ハンチョウの脳内各国で喧々囂々とグルメ首脳会談が行われる神回。各国がそれぞれの国の食事の魅力をプレゼンします。
食事迷子って感覚、すごいわかる気がしますw何食べたいかわからない時って絶対あって、そういう時に脳内でこんな風に色んな自分がディスカッションしてるのかと思うとなんか微笑ましくなる。
食事迷子の時にうまく食べたいものが思いつくと「それだっ!」ってなりますよね。
候補の昼食を考えてみても、「な~んか違うんだよな~」と思う感覚もすごいわかります。
食事迷子のこの感覚をうまく漫画にしたの、本当にすごい。
第十八話 秋魚
ハンチョウ達が一日外出して、高級割烹でサンマを食べる話。
高級店行ったことないから実際はわからんけど、きっと作中に出てくるような「クズにはできない一工夫」がされてる料理ばかりなんだろうなあと思う。
こういう高級店で味わい尽くせるって幸せな時間なんだろうな。
高級店で良質なものを良質な空間で味わう、まさにコトに価値を見出せるような神回です。高級店に行ってみたくなる。
第二十一話 六帖
ハンチョウ達が先に借金を完済して地下を卒業した木村さんのお家に遊びに行く回。
くそ寒い日に気心知れた友人の家でだべる楽しさを表現した神回です。
仲間同士で一日過ごしていると、仲間内でしかわからない独特な言い回しが出てくるってすごいあるあるですよね。
確かにくそ寒くて外で何もする気が起きないような時は、暖房の利いた友達の家でこたつに入りながら麻雀でもやりたいものだ、というかそんな時間に憧れるw
大学時代にこんな時間を過ごしていたような気もする。あれは今振り返ればもう戻れない、尊い時間だったな…
ちなみにこれの夏バージョンはまた別のお話で出てきます。
第二十五話 流浪
地下での喧噪に疲れ切ったハンチョウが一日外出して、電車に乗られながら郊外の田舎に行ってただただぼーっとするお話。
この話で出てくるチェーン店はきっと山田うどん…かな?
この次に出てくる「ままならんな…」というセリフが印象的。
ないものねだりなんですかね…
第三十四話 時駆
休日外出して、地下における上司(?)である宮本の家で楽しい時間を過ごし、その時間を永遠にループするお話。時をかける少女のオマージュですw
大変な地下での生活に戻りたくなく、このメンバーと一緒の時間をループし続けるなら楽しいと信じ込む石和。それに対し、辛くても大変でも、まだ見ぬ明日を求め、ループから必死に抜け出そうとするハンチョウ。
「この四人だからこそ…進むべきなんだろうがっ…!明日へ…!」
ハンチョウの言葉に感化され、目覚める石和。
最後の石和の言葉が、サラリーマンにはきっと沁みます。
第三十五話 糠川
ハンチョウの部下の沼川が地下でぬかづけに目覚める話。
このエピソードをなぜ取り上げたかというと、「人は夢中になれる何かを見つけ、その過程で成長していく」というところがめっちゃいいお話だったからです。
そう、夢中になれるものって見つかると人生での大きなアドバンテージですよね…とことんはまれるものを見つければ、それをやっていくうちに身につくものもたくさんある。
ハンチョウ、時々こういう良いエピソードを混ぜ込んでくるから悔しい。
第四十五話 旨酒
ハンチョウが地下生活で疲れがたまり、ストレス発散のために一日外出で真昼間から呑む話。
そう、この今日は行くところまで行くつもり…!!という感覚すごいわかる。時々、何もかもうまくいかずに落ち込むことってありますよね。そんな時、人の数だけその発散法はあると思いますが、ハンチョウのように「行くところまで行く(呑む)」という発散法を一回くらいやってみたい。
あれだけ飲んでも泥酔せずに酒を楽しめるハンチョウの酒豪っぷりもすごいですが。
背徳感に包まれながらこんな真昼間から飲んだら楽しいんだろうなw
第四十七話 濃密
ハンチョウ達が普段より外出時間を伸ばして1.5日外出で長野県善光寺へレンタカーで目指す回。
このエピソードはすっごくシンプルに、気心知れた人たちと旅行する楽しみが描かれてます。ドライブスルーで思わず食欲が湧くエピソードとか、車内での楽しい様子とか笑
そして朝早くから旅行に行くから、時間もたっぷりあるというワクワク感もとっても素敵!このワクワク感は仲いい人達と旅行に行った時ならではですね。
早く旅行に行きたい!
そして、こういう楽しい時間につきものの、あっという間に終わりを迎える感じ。
ここでもハンチョウが心に刺さる名言を残しているのでぜひご堪能ください。
幸せな時間はあっという間であればあるほど、輝くのかもしれませんね…
以上です!1巻~6巻で個人的推し回をピックアップしてみました。本当は全エピソードで語れるけど収拾つかないのでここでは取り上げません。ぜひ買って読んでほしい。
うん、こうして書いてみて改めて次の休みを満喫したくなった!やっぱりハンチョウの良さは読めば読むほど「こんな休日の過ごし方をしたい!次の休みが楽しみ!」と思わせてくれるところだな。次の休みが本当に愛おしくなるし、全力で楽しむぞと思わせてくれる。
皆さまもお休みの日はいい休日をお過ごしください。
それではまた。
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