らぽさんです。
子供が生まれてから、自分自身の価値観がかなり変わりました。ありふれた表現になりますが、自分の命と引き換えにでもこの子の未来に幸あれと思ってしまうような。
これを書いているすぐ隣で、生後3か月の長男がバウンサーに乗って「あー」とか「うー」とか言っている。
ありきたりだけど、すごい幸せだなと感じる。
そしていつの間にか、長女も今日で3歳となった。
あっという間の日々だなあ。
GRAPEVINEの「すべてのありふれた光」という曲があります。
思う人はすぐに思うのでしょうが、この曲はボーカルの田中氏が我が子をモチーフにした歌(と思われます。)
田中さんには娘さんがいるとのことで、詳細な年齢はわかりませんがもう10代くらいで、いいお年頃なんですかね。
「すべてのありふれた光」のPVに出てくる少女も、田中さんの娘という設定で見ればなんか微笑ましい。
PVは古びたスーツケースを持った少女が旅をしているという内容でしょうか。少女は旅路の中でヒッチハイクしてて、お父さん?の田中氏が心配で後をつけている。
はじめてのおつかいで子供の後をこっそりつけているお父さんみたいですねwww
結局、ヒッチハイクで停まってくれた車はあとをつけていた田中氏(父?)の車であり、悔しそうに、恥ずかしそうに車に乗せてもらう少女。
そして会話に困る車内(笑)
少女は窓ガラスの外ばかりぼんやりと見つめています。
どこかのドライブスルーで車は停まり、ここでもなぜか他人行儀な二人。
些細なことで怒ったっけ
君は泣くことさえ拒んで
幾つもの夜を超えて
朝になればそれだけでも
特別なものはどれだ
何にもなくても意味がなくても この身をくれてやろう
明日はどっちだ
GRAPEVINE 「すべてのありふれた光」
少女に髪をクシャクシャにされた後に、真摯な眼差しでここの歌詞を歌っている際の田中さんの表情が、すごいグッとくるんだよなあ…もう小さかった頃の子供ではなく、もう立派な一人の大人なんだなあ感慨に耽っているのでしょうか。
悪意が娑婆を飛び交ってる
世界なんか塗り替えてしまえ
GRAPEVINE 「すべてのありふれた光」
そういえば、ここの歌詞を聴いたときに小山健先生の「お父さんクエスト」の終盤の1シーンを思い出しました。健君とちーこが海辺でまったり座っていて、ポケットラジオから悲しいニュースだったり悪いニュースが漏れ聞こえてくるけど、そんなことはお構いなしに父と子で二人だけの時間を味わっている…みたいな。
その後、少女は何かを決意したかのように意味深な涙を浮かべます。そして車内で眠る田中氏(父)のところに戻り、一緒に眠りこけます。なんだかんだ田中氏の肩にもたれかかるのが反抗期の娘っぽくて可愛いですね。
そして、やがて、父に気付かれぬよう、そっと一人で抜け出します。
少女の表情から、今生の別れみたいに見えたのは僕だけでしょうか。。。。
ありふれた未来がまた忘れるだけの 忘れるための
それは違う
何も要らない 何にも無くても 意味がなくても
特別な君の声が
聞こえるのさ 届いたのさ
GRAPEVINE 「すべてのありふれた光」
少女がいなくなったことに気づいた田中氏。
少女は自分の道を歩き出します。
子供が産まれて、あっという間に日々は過ぎていって、やがて子供は巣立って行って。
この時の流れをありふれた未来だと考えたのだろうか。
「それは違う」と言い切った田中氏の表情がグッときます。
やがて少女は明け方の海辺に一人たどり着きます。
自分の人生という広い海原に自分の舟を浮かべて、漕ぎ出し始める瞬間といったところでしょうか。
遥か彼方の地平線を見つめる少女の表情が印象的です。
君の味方なら
ここで待ってるよ
GRAPEVINE 「すべてのありふれた光」
長女を散歩に連れていくと好んで公園に行きたがり、砂場で遊ぼうとする。約束の時間になり、腕時計を見せて「帰るよ」と何回言っても「やだ!」と駄々をこねるばかり。そして大体、自分でも大人気ないとわかっていながら先に帰るフリをして、自分の姿が見えなくなると泣きそうになりながら探しにやってくる。
「何回も言ったでしょ、この時間になったら帰る約束だよ」
「やだ!もっとあそぶの!」
泣きべそをかきながら、仕方ないから抱っこして嫁氏と長男の待つ家に帰る。
長男もこれからどんどん君のように大きくなっていくのだろう。こんな自分を必要としてくれる瞬間も、そうは長くないんだろうなと日々思って過ごしている。こんな日々もいつか、「そんなときもあったなあ」と忘れてしまうのだろうか。
でも今後どんなことがあっても、パパは君たちの味方でありたいと密かに思っています。
ありふれた光だったとしても、僕と嫁氏にとってはかけがえのない光なのだから。
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