【書評】優雅な肉体が最高の復讐である

書評

らぽさんです。

本日の書評はこちら。

武田真治の自叙伝かつ筋トレ啓発本。
筋トレをしてる人やこれから肉体改造するぞ!と意気込んでいる人にぜひ読んでほしい一冊です。

こんな人におすすめ!

  • これから健康習慣を取り入れたいと思っている人
  • 美しいフォルムの肉体を手に入れたいと思っている人
  • 健康習慣を続けているが、マンネリ化していると感じている人
  • ジムに行く前の景気付けとしてテンションを上げたい人

武田真治の半生を通じて、彼の肉体論に触れる

武田真治というとめちゃイケに出てた人だったり、サックス吹いてる人だったり、NHKの筋肉体操に出てる人だったりと世間的には俳優なんだかミュージシャンなんだかアスリートなんだかよくわからないイメージなのかもしれません。。。

そんな武田真治の半生と自分の肉体に対する思いが散りばめられた本となっています。自叙伝を兼ねた肉体改造啓発本ですね。

この本はぜひ武田真治のことを知らなくても、「身体を鍛えてみたい」だったり「なんだか最近、自分自身の内面に壁というか越えられない何かを感じるけどどうすればいいかわからない」という人に手に取ってもらいたい。

武田氏の考え方や経験を読むと、ブレイクスルーのきっかけになるヒントがちりばめられているんじゃないかと。

まず表紙から度胆を抜かれると思いますが、肉体美が半端ないです。どうしたらそんな身体になれるのかと思ってしまうくらい、惚れ惚れする肉体です。

でもその肉体を手に入れるためには「武田真治って、めちゃイケに出てた筋肉体操に出てるイケメンヤサ男の人でしょ?」とはとても表現することのできない葛藤や挫折を乗り越える必要がありました。

元々、貧相な体だったとこの本の中でも言っていて、楽に得られたものではないようです。

デビューから人生を追っていくと、JUNONスーパーボーイコンテストで優勝し、トントン拍子で東京で芸能界入りし、周囲からちやほやされ、やがて天狗になった時期があったとのことです。

そしてそれが原因で周囲から人が離れ、やがて不摂生もたたり身体を壊すことになります。

彼の場合、そうした経験を経て、自分自身の肉体と向き合うことになります。
そう、筋トレを通じて。

話はそれますが、僕の好きなteststerone氏の本でも「筋トレで99%の悩みは解決する」と言ってますが、武田真治にとっても自分の身体を鍛えるという行為と出会って道が開けたのかもしれないですね。

ちなみに氏は体重55キロの時に110キロのベンチプレスを10回挙げていたというエピソードがあります。自分の体重の2倍もの重さを持ち上げるということです。

僕は今、体重70キロでベンチプレス80キロが精一杯な状態なので、そのすごさには震え上がります。。。

挫折を通じて、自分の肉体と向き合うこととなった

一気にスターダムにのし上がった学生時代、調子に乗った末に挫折も味わった20代、挫折の中をもがき続けてやがて光明を見出した30代。

光明を見出すきっかけとなった肉体改造を通して氏の半生が綴られます。

最後に、今は40代中盤を超え、これからもトレーニングを続けていくと氏は述べます。

自分に苦しみを与え続けたのは、生意気で、大切な人たちを傷つけた過去への戒め。自分のある時期への静かなる復讐。

人から時折羨ましがられるこの肉体の状態も、与えられたチャンスに応えられなかった悔しさを抱え、それでも未来を信じ歩んだ結果にすぎません。決してポジティブな要素だけで形成されているわけではないのです。

「強くなる」って心の成長も伴わなければならない、思っていたよりも無様な時間の中にあるものでした。時に滑稽であり、時に理不尽な時間の中にあるもの。

これが今の僕の答えです。考えられる最大の遠回りをして、初めてわずかな自信を持つ臆病者の答え。

P198より引用

このフレーズだけでも、かなりシビレませんか。

身体を鍛え続ける人達は決してポジティブな理由だけで続けているわけではありません。自分なりに抱えたコンプレックスや言葉では言い表せない「なぜだかわからないけど自分を苛め抜きたくなる」というなぜだかわからないけどジムに足を運んでしまうという謎の思いを抱えています。

あの武田真治も同じだったんだと思うと、非常に親近感を覚えると同時に「なぜだかわからないけど自分を苛め抜きたくなる」感情は正しかったのだと背中を押される気持ちでいっぱいです。

そして、その言葉通り今も頑張っていることがわかりますね笑

この本は、身体を動かしたくなる衝動を与えてくれる

この本はサクッと読めます。多分集中すれば1~2時間で読めるはず。

もともと身体を鍛えることに全く興味がなく(むしろ不健康)、美しい肉体という言葉に無縁だった人が、どのような経験や思考を経て誰もが羨むような引き締まった肉体を得ることができたのかが伝わってきます。

読んだ後には「身体を動かしたい(苛め抜きたい)!」という思いがバシバシと己の内面から湧きあがってくる本です。

「これからダイエットする~」
「ジム通いを始める」

という人が身近にいればプレゼントしたい笑 肉体改造って導入~継続までが最大のハードルだったりします。この苦しい何かを続けていくためには、こういった先駆者が考える肉体改造に対する思いや意義に触れておくことは、継続するサポートになるんじゃないかな。

最後に、僕が気に入っているフレーズというか本の一部を紹介します。よければぜひ手に取って読んでみてください。ただの俳優の自伝なんかではすまされない、熱量を持った本です。

・トレーニングは精神安定剤にもなりえる

人が人生で大事な何かを失うとしたら、ほとんどが突発的な感情による言動が原因になるのではないでしょうか。トレーニングは無駄な負のエネルギーを発散させ、肉体と感情をコントロールし、自分が正しいと思う自分であることをサポートしてくれます。

P22より引用

・フォルムは性能を表す

肉体の性能を高めれば、勝手にフォルムはついてくるもの。速くもないのに速そうなカタチの車にはハリボテ感があります。人の身体も同じでフォルムだけを整えようとしてもダメ。性能を高めた時に後からフォルムがついてきます。

P26より引用

・「辛い・苦しい・痛いの向こう側」に自らの成長がある

→運動はとにかく始めてしまうこと。そうすればいずれ効果は必ず現れます。しかし、何を始めても最初に感じるのは間違いなく「辛い・苦しい・痛い」です。僕はこれらを「変化・進化の副作用」と捉えています。 ~中略~ それらの副作用の向こう側にしか成長はないのです。極端にいうと、筋肉痛も出ない運動はトレーニングとは言えません。

P76より引用

・我慢じゃなく努力する

→「昨日の自分のだらしなさが、今日の運動のモチベーション」食事やお酒を我慢するのではなく、その分何か運動するという考え方のほうが、精神的にゆとりを持ったまま、長くトレーニングと付き合っていける気がします。

「心の成長がないところに肉体の成長はない」

一人残った恋人が教えてくれようとしました。

「世の中うまくできていて、悪い感情の持ち主や、人に感謝できない人間に強く健康な肉体は与えられない」と。誤解のないように補足すると、病気やケガをする人が悪い人という意味ではもちろんありません。良い人でも悪い人でもしかたのない病気や怪我はあるものです。ただあの頃の僕に限っては、生活習慣のすべてを見直す必要があることをその人は伝えてくれようとしたんだと思います。

P145より引用

これを書いている間に、武田氏の新刊が出たそうなのでそれも後日読んでみようと思います。

それではまた。

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