2年前の話ですが、自分用の忘備録ということで記しておきます。過去に書いていたブログ記事の流用ですがw
少し前に受けた時の話なので今とは少し状況が異なるかもしれませんが、独学で受けられる方に少しでも参考になれば幸いです。
らぽさんです。
先日受けた第151回日商簿記2級検定試験ですが…
なんと合格していました!
ボーダーには届いてないと95%諦めていたのですが、物議をかもした魔の第三問を無我夢中で諦めずに埋めていったら奇跡が起き、なんと8点取れていました。結果、70点ギリギリで合格。
試験当日はまさか受かるなんて思わなかったので、奇跡を目の当たりにした気分です。
70点ギリギリで合格ですが、合格は合格なので自分を誇ろうと思います。
そして、表題のとおり、簿記3級と2級を完全独学で半年の間に合格することができました。勉強方法などやってきたことをまとめてみます。もしこれから簿記を始める方の参考になればと思います。
ちなみに僕は
・30代半ばに差し掛かろうとしている地方公務員。
・簿記知識はなし。
・予備校は利用せず、独学。
・一日1~2時間はコンスタントに勉強する時間を取れる環境はあった。
という状況で、半年程度で2級まで取得することができました。これから独学で合格を目指す方に参考になれば幸いです。
なぜ簿記の勉強をしたのか
①面白そうだったから
②財務諸表を読めるようになりたかったから
③転職エージェントに登録するための最低限資格を持ちたかったから
2018年9月にファイナンシャルプランナー2級を取得し、次は何を勉強しようと検討したところ簿記が面白そうだなと考えました。また、株式投資もやっているので、簿記知識を学ぶことで財務諸表を読めるようになりたいとも思っていました。
そして、今後ずっと地方公務員でい続けるかはわからないと自分では考えています。そんな中、公務員以外の選択肢を検討するにあたり、ビジネス知識の素養となる簿記を学んでおきたいと思うようになりました。実際、転職エージェントにも登録するにあたり、地方公務員だとやはり明確なアピールポイントが薄いですし…
そんなわけで簿記の勉強を2018年9月中旬から始めることにしました。ド素人からのスタートです。
【勉強方法について】
・簿記3級
勉強時間
最初の1か月 一日45分~1時間
試験1か月前~2週間前 一日1時間~1時間半
2週間前~前日 1時間半~2時間
2018年9月中旬から勉強を開始しました。11月中旬の第150回検定を受験したので約2か月間の勉強期間ですね。
テキストは「みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級 商業簿記 第6版」と「みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商3級 商業簿記 第6版」の2つのみ使いました。
最初の1か月は簿記の教科書を3周くらい読んで、簿記の概要を掴むことを意識しました。そして試験1か月前からは簿記の問題集を紙に書いてひたすら解きました。
簿記は初心者だと貸方と借方の考え方でつまづきやすいように思えます。つまり仕訳する際になぜこの項目は左にあると増加で、かといってこの項目は右にあると増加するというのが全然わからない人もいると思うのです。そしてそれが挫折の原因になってしまう人も多いのではないでしょうか。
「なんでこの項目が左にあると増加で、右にあると増加やねん!左は一律増加にしろやボケえ!」みたいなことばかり勉強開始時は思っていました。何を基準でどっちが貸方で借方なのか最初はちんぷんかんぷんでした。
後々になって気づきましたが、貸借対照表(資産・負債・純資産)と損益計算書(費用・収益・純利益)の各項目の立ち位置を最初に頭に叩き込んでおくと仕訳が頭に入りやすくなるかと。
資産項目は貸借対照表で左(借方)に位置しています。なので借方(左)に資産項目があれば増加を意味しますし、貸方(右)に資産項目があれば減少を意味します。
負債項目は貸借対照表で右(貸方)に位置しています。なので貸方(右)に負債項目があれば増加を意味しますし、借方(左)に負債項目があれば減少を意味します。
この立ち位置の関係が分かればしめたものです。各勘定科目が資産・負債・純資産・費用・収益・純利益のどれに該当するかを丁寧に覚えれば仕訳の仕組みはわかってきます。
なので、仕訳の仕組みがわからん!と思った場合はまず貸借対照表と損益計算書の図を頭に叩き込み、数ある勘定項目がそれぞれ貸借対照表あるいは損益計算書のどの項目に該当するのか考えましょう。それを続けて行けば自然と勘定項目のジャンルが頭に入ります。
勉強初めは仕訳の考え方に苦しむかもしれませんが、これが後々に貸借対照表と損益計算書と密接にリンクすることがわかってくると俄然と楽しくなってきますので、ここであきらめないでください。そして仕訳ができないと2級レベルだと当然話にならないので、3級の勉強でしっかりとやりましょう。
なお、試験1か月前に始めた問題集ですが最初は答えを見ながらで構わないので、ひたすら紙に書いていました。手を動かしてアウトプットすることで仕訳や精算表の作成も自然と考えられるようになるものです。なぜそうなるかが最初はわからなくても、手を動かして書いているうちに簿記の考え方が頭に染みついてきます。「紙に書いてナンボ」な世界なので、ひたすら紙に落とし込んでいきましょう。
僕は100均で買ったルーズリーフ2冊分を仕訳で埋め尽くし、問題集の解答用紙を何回もシャーペンで書いては消し書いては消しを繰り返して、無事3級を合格することができました。
3級の場合はテキストは上記2冊だけで十分だったように思います。
勉強時間は9月中旬から11月中旬の試験日まで2か月間、一日1時間~1時間半程度で合格できました。トータルで70時間程度だったかと思います。
簿記2級について
勉強時間
12月~1月中旬 一日1時間
1月中旬~2月初旬 一日1時間半程度
2月初旬~試験1週間前 一日2時間~2時間半
試験1週間前 一日3時間~4時間
トータル 110~130時間程度
2級は2018年12月から勉強を始めました。テキストは3級と違い、スッキリわかるシリーズを使いました。
スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記
スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記
合格するための過去問題集 日商簿記2級 19年2月検定対策(よくわかる簿記シリーズ)
3級は「簿記の教科書」のほうを使っていましたが、2級はこっちのテキストに切り替えました。こっちのほうがわかりやすそうだったからです。勉強スタイルは3級と変わらず、最初の1か月半はテキストを3周ほど読み込んで知識を頭に入れました。3級の勉強で基礎知識は頭に入っているので、そこまで苦痛はなかったです。(3級の仕訳の考え方を理解することのほうがよっぽど大変だった)
ただ連結の考え方はわかりづらいので、テキストだけではよくわからないかもしれません。ですが、最終的に問題解けりゃいいやと割り切ってしまいましょう。根本的理解はできなくても、過去問通じて試験のための解き方は頭に叩き込めます。また工業簿記もテキスト後半部分になってくると「???」とよくわからない箇所が多々ありました。しかしこれも「過去問通じてわかればいいや」と思って、完全に理解しようとせずざっくり理解に努めました。
3級と違い、2級の対策をするにあたっては徹底的な過去問演習が大切になってきます。問題の分量やレベルも段違いになっているからです。問題文長くて読み辛かったり、ひっかけが多く出てきたりと、過去問演習を通じた受験テクニックも必要になります。僕は「多分過去問演習は試験1か月半前くらいからやっておかないと間に合わなそうだな」と感じてたので、試験スケジュールから逆算して1か月半前には圧倒的過去問演習できるよう、商業と工業のテキストを3周読み込んでおきました。
実際、過去問を最初に回す際には「全然わからん…」と半分鬱になりながら答え見て解いていたので、試験までに解けるようになるのかと結構焦りました。2級取得にあたっては過去問演習がキーなので、早めに取り組んでおくに越したことはありません。
試験1か月半前
過去問演習を取り組み始めました。こちらも3級と同様に、最初はわからなくても答えを見ながらとにかく仕訳をし、紙に書いてアウトプットしていくスタイルを貫き通しました。アウトプットし続けることで、自然と仕訳もできるようになり、解法が見えてきます。
過去問はなんとなく読んでいても意味がありません。わからなくても手を動かして書き続けましょう。
最終的に僕は過去問集に入っている過去12回分の過去問を3周しました。
そして今回使用した合格するための過去問題集 日商簿記2級 19年2月検定対策(よくわかる簿記シリーズ)には過去問の他、各セクションごとの厳選問題が収録されています。過去問を解き始める前にこちらの厳選問題も2~3回やっておくとそのあとの過去問演習がスムーズになると思うのでお勧めです。
厳選問題を一通りこなした後は、いよいよ過去問です。1周目は全然わからない(多分)ので答えを読みながら理解しようと努めつつ、紙に仕訳や計算を書いていく。
2週目はわかるところまで自分で書き、分からないところは答えを見ながら書いていきました。
3週目も同様でわかるところまで自分で書き(3周目になると結構惜しいところまで書けてる)、解けなかったところはなぜ解けなかったかを考えた上で再度紙に書いていきました。
A4ノート3冊分くらい徹底的に書き続けたと思います。手を動かすアウトプットは知識も定着しやすいし、何より忘れにくくなるというあらゆる学習に通じる原理原則を簿記で実感できましたね。。。
合格するための過去問題集 日商簿記2級 19年2月検定対策(よくわかる簿記シリーズ)は12回分の過去問が入っているので、それを3周以上すれば大抵の出題パターンを把握できます。また、テキストだけではわからなくても、過去問演習を通じて「そういうことだったのか!」と点と点が線で結びつくこともあるんですよね。なので過去問演習はとても大切です。
やはり簿記は手を動かしてアウトプットメインの勉強法が王道なのではと思います。
工業簿記も最初は加工費の換算とかシュラッター図がわからなかったのですが、過去問解いてたらなんとなく理解できるようになりました。
直前1週間前は時間配分も感じておくため、大原の模試を受験しました。
試験当日は時間配分も大切なので、模試を受けるなり、過去問を時間測って試験同様に解いてみる実践をやっておいたほうがいいです。
試験では過去問ひたすらやってた甲斐あってか、工業簿記がほぼ満点でした。
しかし今回物議を醸した第三問の連結問題に直面した際に凍りつきましたw
なぜ子会社複数あって、複数年度やねんwこんなんどの過去問にもなかったぞw
とはいってもその時間はやれることをやるしかなかったので、ひたすら手を動かし続けて部分点を稼ごうとする気持ちで一杯でした。
正直、第三問はのれん償却の2点以外取れてる気がしませんでした。試験終わったあと自己採点したら第一問の仕訳を2問間違えてるし、第二問も簡単なはずなのに12点しか取れておらず「第3問で8点以上取らないと無理」ということが分かった瞬間、非常に目の前が暗くなったことを今でも思い出します。。。
なので、ほぼ諦めながらとぼとぼと家路につき、数日間はツイッターの日商検定所公式アカウントに寄せられる誹謗中傷を見て自分を慰めていました笑 その間に、次の試験で絶対頑張ろうと思い、4月初旬から勉強を再開しようと思っていました。
なので先日の発表時にまさか受かってるなんて思わなかったです。第三問で8点取れてるなんて、奇跡としか思えませんでした…
同時に、2018年9月の時点で簿記の勉強を始めた頃からすれば、半年後に簿記2級を取っていることなんて想定しなかったでしょう。すごい感慨深い。
【独学のメリット・デメリット】
さて、こうして独学で2級まで取ることはできたのですが独学万歳!というつもりはありません。独学は予備校と比較すればお金がかかりませんし、マイペースで勉強できるのがメリットです。
ですがデメリットとして、我流でやらざるをえないので本質的理解ができないままになってしまう可能性があります。
いや、試験に受かるだけだったらそれでもいいかと思うのですが、ある程度の人は経理職に就くために勉強したりと資格取得後も実用的な知識として簿記を使う人が多いんじゃないでしょうか。
その場合、試験に受かるためだけの付け焼刃のテクニックしか身についていないと資格は持っていても実務に結びつかないという本末転倒の結果になりえるんじゃないかと感じています。
僕は予備校は通っていないので明言はできないのですが、試験に受からせるプロが教えていることですし、わかりづらい論点を理解しやすいよう噛み砕いて教えてくれると思います。
受験テクニックだと「これはこう」(ただしなぜそうなるかはわからない)ですが、理解を伴っていれば「これはこうだからこうなる」という実務に結びついた理解ができるんじゃないかと。
本質的理解をした上で試験に合格したいのなら、高いお金を払っても予備校を利用する価値はあると思っています。
もちろん独学だけで受験テクニックだけでない本質的理解ができる頭のいい人なら、独学でもいいのではないでしょうか。
僕は合格できましたが、過去問演習を通じた受験テクニックによるところが大きいと感じています。
それでも、仕訳の仕組みを始め、勉強すればするほど「簿記という概念を生み出して体系化した人、本当にすげーな」と思うことばかりですし、何より簿記の勉強は自分にとって楽しいものでした。我流で勉強してもそれなりに面白さを感じられるのですから、丁寧に勉強すればますます面白さを感じられるのではないでしょうか。
そういう意味では、予備校を使った丁寧な学習はありだと思います。
というわけで、2018年9月中旬から2019年2月24日の約半年の間に簿記3級、2級を取得できた経緯をまとめてみました。
社会人でこれから独学で簿記の勉強を始めようという人に参考になれば幸いです。上記を読んでもらえればわかるとおり、コツコツと学習を積み重ねることができれば、働きながら取得できます。
半年間の簿記の勉強を通じ、企業の財務諸表もなんとなく読めるようになりました。僕は投資もやっているので、なんとなしに送られてくる株主総会の資料も読めるようになったので読まずにポイしなくなったのは大きいと感じています笑
転職サイトもちょこちょこ覗きますが、簿記2級まで持っていると20代なら転職も容易にできそうな印象を受けます。正直、20代で簿記2級まで持っていれば転職するにあたって未経験でも経理職などの門戸が開かれやすいと感じます。勉強時間の割には今後のキャリアパスを考えるにあたりコスパがいいように思えるので、取って損はないのではないでしょうか。僕もあと5年若ければなー。。。
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長々とお読みいただきありがとうございました!
簿記の勉強を通じて、学ぶ楽しさを久々に味わうことができたので、今後も日々自分をアップデートし続けていきたいと思います◎
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